株式会社広島屋

(酒類卸売販売・小売販売、飲食店の新規開業支援)
所在地 東京都中野区中央3-44-7
代表者 川村 太郎(代表取締役)
資本金 1,000万円
従業員数 11名
設立年 1951年
企業HP https://hiroshimaya.ne.jp/

人手不足に多能工化で対応

川村 太郎 さん

川村 太郎 さん

広島屋は、ワインや日本酒、焼酎などの酒類を飲食店へ卸している酒類の販売業者。大手なら、営業、配送、事務と仕事が分かれていることが多いが、「人手不足の今、中小は一人で複数の業務をこなせる人材が必要」と川村社長は語る。例えば、広島屋では配送業務をする従業員が営業も兼ねる。飲食店への配送は、毎日ルートが決まっているが、頻繁に会うからこそお客様と深くつながることができ、一つ一つのお客様のニーズをくみ取ることができるという。また、きき酒師やソムリエ、ビール検定などの資格を持つ従業員も多い。資格取得は積極的に奨励をしており、これが提案力の向上など、従業員が営業する際の「強み」になっているという。

コロナ禍で得意先をサポート

広島屋の顔である看板

広島屋の顔である看板

コロナ禍では、政府の休業要請に従ってお客様である多くの飲食店が休業、受注量が激減してしまった。しかしながら、飲食店をお客様とする卸売業者へは協力金はなく、感染防止協力金は飲食店にのみ支払われた。しかし、「協力金のおかげで事業継続が可能となった飲食店もあったことは事実であり、お客様である飲食店が事業継続できたから、広島屋の顧客も減らなかった」と社長は前向きに語った。それだけでなく、コロナ禍では、厳しい状況にある飲食店のサポートをできればと考え、協力金などの手続きの相談も受けていたのだそう。現在は、多くの飲食店とやり取りをしていた経験を活かし、飲食店の開業支援などにも取り組んでいる。

コロナ禍をきっかけにBtoCへ本格参入

奥には、新しいワイン蔵がある

奥には、新しいワイン蔵がある

コロナ禍で飲食店向けの受注が減少する一方、「ここでお酒買えるんですか?」「ワイン買えますか?」など、一般消費者の方から声を掛けられることが増えたことをきっかけに、今後は消費者の行動様式が変化していくことも見据え、二つ目の事業の柱として、個人のお客様向けへの酒類販売(BtoC)への本格参入を決断した。

そこで、お客様が気軽に、ゆっくりとワインや日本酒などを買い物していただける空間を提供できればと考え、商工会議所の支援も得ながら、事業再構築補助金を活用し、倉庫を改装して「酒蔵」を作り、一般のお客様も買える体制を整えた。今後については、業務用の酒類販売をメインとしながらも、BtoCを強化し、2本柱で事業展開をしてきたいと考えている。

業種から事例を探す