2023年12月6日

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株式会社大原セレモニーハート

(葬儀及びそれに付随す事業等)
所在地 東京都江東区大島1-38-4 INORIE
代表者 茂木 圭吾(代表取締役)
資本金 2,000万円
従業員数 13名
設立年 1971 年
企業HP https://o-heart.co.jp/

---(2023年12月掲載)-------------------------

コロナ禍を契機に、高品質な家族葬ニーズに対応

社長の茂木氏

大原セレモニーハートは、東京都江東区を中心とした地域密着の葬儀社として、今年で創業102年を迎える。現在は、葬儀・供養に関する事業だけではなく、“地域の皆様の心を支える企業”として、地域活性化・地域交流支援を含めた幅広い事業を展開している。

「コロナ禍を転換期として、葬儀の在り方が大きく変わってきている」と語るのは、社長の茂木氏。2022年5月にオープンした新しいコンセプトの葬儀場「小さな家族葬サロン INORIE(イノリエ)」は、コロナ禍を契機に急上昇している家族葬のニーズに応えてきた。かつては、知人や地域、職場の方など大勢が集まる一般葬が主流であったが、最近では親族や近親者のみで行う小規模な家族葬を選択する人が増えている。

さらに、「家族葬の割合が増えたのと同時に、お客様が求めているものが、値段ではなくサービスの品質に変わってきている」と茂木社長は語る。同社は、値段で他社と競争するのではなく、高品質なサービス展開に注力するようになった。遺族の方の想いをお花で表現すべく、生花祭壇の色・形・あしらいなどの要望に丁寧に応えていくことや、現場の声を細かくヒアリングしながら従業員主導で新しい提案ができる仕組み作りを行った結果、客単価はコロナ禍前と比較しておよそ2倍に上昇した。

「せっかくならより良いものをという考え方は、葬儀サービスにおいて顕著になっている。また、お客様に心から喜んでもらえるサービス提案をとことん追求する意識の高まりが会社全体に浸透してきていることは、数値でこそ計れないものの大事な要因のひとつである」と分析している。

世の中のニーズを的確に捉えた新サービスの展開

近年、オリジナル性の高いコンセプト葬儀が注目を集めている

一方で、近年のエネルギー価格や葬儀関連の資材価格の高騰は、コスト面において無視できない問題になっており、例えば、葬儀場の火葬料金として燃料サーチャージ代がかかるようになったほか、棺代や花代などのあらゆる原価は10年前と比べておよそ倍近くまで高騰している。茂木社長は、「単なるコスト削減だけでは到底、太刀打ちできない」と考え、対応策として、新しいサービスの展開を模索するようになった。

そこで近年、同社が力を入れているのが、動画サービス事業である。「家族葬ニーズの高まりと同時に、オリジナルの葬儀をしたいというお客様の声を多くいただく中で、新しく生まれたサービスです」と茂木社長。比較的若い平成生まれの従業員も多く、動画制作の内製化も十分に対応可能であると考えた。「提供してもらった写真素材をもとに、一本の動画を作成して、葬儀の際にその動画を流します。みんなで笑顔で楽しく故人を偲ぶ、というスタイルがここ最近、オリジナル性の高いコンセプト葬儀として注目されています」。

このように、変化した世の中のニーズを的確に捉え、スピーディーかつ柔軟に適応できるのが同社の強みである。オリジナルの葬儀は、お客様一人ひとりと面談を重ねながら、各サービスをカスタマイズする必要があり、通常のサービス価格に比べて値段は高くなる。だが、むしろ利用者から感謝されることが多くなったという。

「あらゆるコストが上昇しているこの状況下において、どうやってコストを下げようかと頭を悩ませるのではなく、お客様が本当に求めているものを提案し続けたことが、ただ同じものを売るだけではない高付加価値化に成功した秘訣です」と茂木社長は満足げに語った。

徹底したDX推進で、従業員が働きやすい環境作り

小さな家族葬サロン INORIE(イノリエ)

「我々は、愛するご家族を亡くした方々を相手にするという、ある意味で究極のサービス業だと考えており、従業員一人ひとりが自身の生活に十分満足できないことには、傷ついた人に寄り添うことなど到底できない」という茂木社長の考えから、従業員にはプライベートを最優先にしてもらうべく、休暇を取得しやすい環境作りを推進している。と同時に、いくつか課題も顕在化しているという。

「業界・業種を問わず広く企業が抱えている課題だと思うが、社内には属人化している業務が数多くある。解決手段として、DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現は避けて通れない」と語る。既にペーパーレス化や一元管理システムの導入により、突発的な対応が求められる同業界においては難しかった完全週休2日制、年次有給休暇の取得率向上を実現させた。さらなるDX推進を目指す同社だが、実現のためには取引先の協力も欠かせない。「自社だけではなく、取引先と一体となって取り組むことで、共に競争優位性を高めていきたい」と茂木社長は力を込めた。

---(2023年3月掲載)-------------------------

時代とともに変わりゆくニーズに応える

茂木 圭吾 さん

茂木 圭吾 さん

同社は「お客様の心を支える100年企業」というコンセプトのもと、地域に密着した葬儀場として今年で創業101年を迎えた。時代とともに葬儀のあり方が大きく変わるなかで、茂木社長の、時代の変化を前向きに捉え、スピーディーかつ柔軟に適応させていく経営が、長きにわたって事業を継続する秘訣となっている。コロナによる影響を受けながらも、「この2~3年間はコロナ後に向けた充電期間と割り切っている」と語る茂木社長は、従業員とのコミュニケーションの活性化に注力する他、新しいコンセプトの葬儀場を展開するなど、コロナ後を見据えた新しい取組みを次々と打ち出している

IT導入によって働き方改革を実現

IT導入によって働き方改革を実現

IT導入によって働き方改革を実現

長らく紙ベースでの業務管理が中心となっていた同社は、従業員同士の情報の連携が複雑化しており、休みを取りづらいという課題を抱えていた。働き方改革の一環として、職員同士のやり取りから業務上の情報管理まで、デジタルを用いた一元管理に移行した。この取組みを機に、突発的な対応が求められる同業界においては難しかった週休2日制、年次有給休暇の取得率向上も実現させた。IT導入の効果はそれだけにとどまらず、「サービス品質全体の底上げができたことも大きな成果」と茂木社長は振り返る。

次の100年も地域に愛される葬儀場であり続けるために

時代とともに変わりゆくニーズに応える

時代とともに変わりゆくニーズに応える

地域の葬儀社ならではの強みを生かして、信頼関係をベースとした葬儀後のフォローや関連サービスの強化にも取組んでいる。「少しでも早く、ご家族に安らぎの時間を持ってもらいたい」という想いから、葬儀後の様々な諸手続き、専門的な相談にも乗れるようにするなど、多方面と連携しながらサービスのハブ役としての役割も担う。さらに、地域内でお年寄りが増えていることを受けて、高齢者も負担なく利用できるよう「オンライン散骨」「オンラインお墓参り」の提供もしている。100年にわたって地域に愛される同社の強みは、地域ならではの課題にひとつずつ応えていきたいと願う、謙虚な姿勢にある。

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